日本拳法連盟 青葉拳友会
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呼吸法に関して

 日本拳法の構え方や攻撃技、受け手技などの基本動作は、目に見えるので
指導しやすいが、呼吸法のように目に見えない動きに対しては教えにくい上に
意識も低く、個人の技量に任せている事が多い様です。
 しかし、日本拳法を始めとする日本の伝統的な諸芸や格技などのコツを
つかむには、呼吸法が重要な意味を持ち、その大切さを理解して訓練する事が
技術向上にもつながるのです。
 又、呼吸は健康の度合いを測る指標にもなり、不健康な人は息使いが弱々しく
不規則なのに比べて、健康な人の息使いには力強さがあって自らコントロール
する事が出来、時には身体の強さから優秀な選手か否かを見極める判断基準
にもなるのです。

 日本拳法に於いては、間合いの取り方が勝敗を決すると言っても過言ではなく、
この間合いのやり取りこそ呼吸のやり取りなのです。
 ボクシングの様に、三つ打たれたら一つ打ち返すリズムになっている競技は、
打つリズムに合わせて鼻で短く息を出す呼吸に自然となり、体内酸素の消耗量も
少なくてすみ、何ラウンドも戦う事が出来るのですが、主に3分間三本勝負法で
防具を着装して戦う日本拳法の試合では、思いきって撃力を相手に加えないと
一本という得点が取れない為、足捌きや相手との呼吸のやり取りの中で相手の
隙を見つけ、一気に溜めた息を気合と共に吐き出し突くので、3分間とはいえ
消耗量は大きく、その後の呼吸の使い方にも影響を与える事が特徴といえます。

 呼吸を学ぶ稽古法の一つとして日本拳法の二人形があり、お互いに演ずる形の
呼吸が合わないと、いくら基本技術がしっかり出来ていても良い形を演じていると
評価されません。他方防具の乱稽古では、如何に相手の呼吸を乱すかに、勝敗の
カギが有ります。この事からすると、形稽古で呼吸を合わせる術を身につければ
反対に相手の呼吸を乱すにはどのように戦えばよいのか、自ずと理解できるはず
です。二人形は呼吸をつかむ上の大変良い稽古方法の一つと言えます。

 しかし、戦いの中で相手の隙を見出すことは大変高度な技術で、そこには当然
呼吸が大きく関係します。この事は何も格闘技だけではなく、落語においても
名人と言われる話し家は、寄席に来る客を笑わせる「コツ」として、上手く呼吸を
取り入れています。
 例えば、人は怖い話を聞いている時、始めは息を吸って(吸気)静かに耳を傾け、
そのうち息を殺し(待気)緊張状態になります。そこで面白い話をすると、笑う為に
今まで溜めた息を一気に吐き出して(呼気)客席は爆笑の渦に巻き込まれ、
怖い話がいつの間にか面白い話に変わり、人を笑わせる名人としての評価も
高まるのです。

 呼吸法では、吐く息を「呼気」、吸う息を「吸気」、更に息を静止した状態を「待気」と
表現し、日本拳法の技術論からしますと、お互いに「待気」状態にいる時は中々隙を
見出せませんが、相手が突き攻撃をして来るのに溜めた息を強く吐く(呼気)時、
その一瞬にこちらが早く突く事が好機につながり、相手からしますと出鼻を挫かれた
事に成ります。
 剣道において「呼気の時に打つ」というのはこの瞬間を云い、呼気の時に突かれると
躱す事が出来ず、当然お互いが呼気のときに突くと相打ちになります。
更に最大の隙は、相手が突いた事で呼吸を出し切り、吸いに入った時が攻撃の
チャンスで、体は思う様に動かず防御する事が出来ないからです。ボクシングに
於ける鼻で短く息を出す事は、隙を与えないリズムとも言えます。

 私も加齢と共に、筋力や体力が落ちておりますが、その差を補うのには呼吸法を
極める事であると思い日々研鑽を積んでおります。日本拳法を生涯の友と致したい
ものです。
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by dohi-column | 2007-11-30 00:00