日本拳法連盟 青葉拳友会
by dohi-column
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一流選手の心理と読み 

 平成19年度日本拳法連盟主催の大会の中で、上期においては規模の大きな
全国選抜社会人選手権大会並びに東日本女子及び少年選手権大会が、7月29日に
明治大学和泉校舎体育館で行われました。

 全国選抜社会人選手権大会の団体戦には、北は北海道から南は沖縄までの30
チームが参加し、その内18チームを自衛隊の精鋭が占め、道場や大学OB会チーム
との熱戦が繰り広げられました。

 この大会は毎年真夏の暑い時期に行われ、今年も例年通り暑さとの戦いとなりました。
それは体力に勝る自衛隊にとって有利に働くのですが、それにしても今回は優勝から
上位4チームまでを自衛隊独占するという例年になく圧倒的な結果となりました。

 これは各自衛隊チームが体力だけではなく、技術レベルが年々向上しているためだと
思われます。又自衛隊チーム同士では僅差の試合が多く、この事は各自衛隊チームが
昨年以上の練習量を積んできた成果だと思われます。

 決勝戦には全自衛隊徒手格闘の中でも強豪チームである練馬の第一普通科連隊
Aチームと、習志野にある第一空挺団Aチームが対戦し、二勝一敗二分で練馬の
第一普通科連隊が優勝を果たしました。習志野の第一空挺団Aチームは惜しくも
二位に甘んじ、三位には力が拮抗した陸自滝ケ原拳法部と陸自大宮拳法部Aチームの
2チームが揃って入賞しました。

 この大会において強く印象に残った試合は、決勝戦での先鋒戦で、第一普通科連隊
の秋葉弐段と第一空挺団の三ケ田四段との対戦です。

 秋葉弐段は120kgの巨体から繰り出す投げ技を得意とし、昨年の全自衛隊大会
無差別級の柔道及びレスリング、更に徒手格闘の三つの部門で優勝を果たしている
大物の強豪選手で、今大会でも決勝戦まで投げ技からの押さえ突きで対戦相手を
全く寄せ付けず一方的な試合展開で勝ち続けてきました。

 一方の三ケ田四段は185cmの身長と長い手足を生かした投げや前拳突きを
得意としている選手で、過去に行われた全日本拳法総合選手権大会で優勝を果たし、
近年も同大会で準優勝するなど日本拳法を代表する実力者です。

 以前にも二人は対戦し、三ケ田四段は秋葉弐段の投げからの押さえ突きで敗れて
いるので、三ケ田四段からすると屈辱を晴らす戦いでもあり、その為に先鋒を味方の
他選手に譲らず、敢えて秋葉弐段に再度戦を挑んだものと思われます。

 両者共に戦いに備え、どのような戦法で勝ちに結びつけるのか、お互いの心理を
読むのも試合の見所の一つです。三ケ田四段からすると、恐らく組技では勝てないと
思い、突き技で勝負を挑むつもりでいたと思われます。一方の秋葉弐段はそのことを
事前に察知しており、しかも最初は三ケ田四段が後拳ではなく得意の前拳突きで来る
であろうというところまで読んでいたと思われます。

 結果は、主審の「一本目始め」の号令と共に三ケ田四段が前拳突きをし、それと
同時に秋葉弐段が右手で横受けして刈り倒し技で投げた後透かさず押さえ面突きで
取るという正に会心の一本でした。

 三ケ田四段からすると、自信のある前拳突きをいとも簡単に躱され、それと同時に
投げられた事により、心理的に二本目に対する戦意をくじかれたのではないかと推測
されます。秋葉弐段もそれを察知していたことでしょ。案の定、二本目は秋葉弐段に
あっさりと組み付かれると難なく内股で投げられ、一本目と同様に押さえ突きを
取られるという完敗を味わう結果となりました。

 以前の三ケ田四段は、良い意味で荒々しさが勢いとなっていて、常に力強さと
威圧感を感じさせる選手でしたが、この大会では急激に体重が落ちたように見え、
その分スピードが増したというより以前の力強さと威圧感が減退したような印象を
受けました。

 他方、秋葉弐段は長年に亘り組み技を中心に技を極め、組技に持ち込めば絶対の
自信があります。又、幾度もの格闘技大会での経験から読みの深さを培い、相手に
与える心理情況も良く研究し、その読み通りに技を決めるだけの力量を身につける
選手に成長していたのです。

 来たる9月16日に大阪市中央体育館で全日本拳法総合選手権大会が行われますが、
三ケ田四段、秋葉弐段共にどの様な戦いを繰り広げるかは、今大会の大きな見所の
一つと言えるでしょう。私も観戦を楽しみにしています。
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by dohi-column | 2007-08-31 00:00
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