日本拳法連盟 青葉拳友会
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日本拳法の動きと文化的背景

武道の醍醐味は、柔より剛を制し、小より大を制する所にあります。
しかし現代の格闘技はスポーツ化に移行し、体重別に分けて競技化されている為に、
小柄な選手が大形の選手を破る光景を見る事があまりなくなってきました。

 その点、体重別のない日本拳法の試合においては、そのような光景を
よく目にする事が出来ます。

 特に今年11月に開催された日本拳法連盟主催の国際選抜選手権大会に於いて、
163cm・63kgと小柄な高野選手(中央大学3年・参段)が、
その体格的なハンデをものとず、大形選手を次々に破って見事優勝を飾ったことは、
記憶に新しく、快挙と云えましょう。

 それとは対照的に、フランス・イタリア・メキシコなどから参加した選手は、
骨格がガッシリしていて体形的に恵まれているにも拘わらず、その殆どが1回戦で
姿を消していました。そんな彼らは一様に、小柄な 高野選手が優勝できたことに
驚きと関心を示していました。

 そこで、フランスやイタリアの選手に随行してきた指導者たちに、なぜ体力的に
有利な海外の選手が同大会で入賞する事が稀なのか、理由について話を致しました。

 その理由とは、まず日本文化の成り立ちに遡ります。

 日本人は長年農業を営んできた民族の為か、西洋人に比べ小柄で尚且つ姿勢も
猫背で悪く、対照的な体形をしています。本来日本人は格闘技やスポーツには
向いていない体形ではないかと思われます。しかし、そうであるが故に先人たちは
知恵を絞って日本人の身体機能に適合する技や競技を考案してきたのです。
それは、体力の消耗をできるだけ少なくし、相手を一発で仕留める闘い方です。

 その為には、まず「力を溜める技術」を身につける必要があります。
徐々にに呼吸を介在させ、相手のスキを見つけ一気に敏速な足捌きを以って、
気合と共に攻撃を挑みます。そこで一番大切なことは、自分が最も有利に
攻防できる相手との間合いを掴むことです。

 日本文化は古来より「間」に対し趣を置いています。
それは伝統芸能等だけでなく、格闘技にも多大な影響を与えてきたのです。
そのことは日本拳法はもちろん、相撲・剣道・柔道などの日本古来の多くの
格闘技において見ることができます。また、伝統芸能である能狂言や
日本舞踊の下半身の動きなどは、格闘技にも共通するところが多く、
その動作は摺り足で表されています。

 大まかに比較すると、日本が「間」の文化であるのに対し、
海外は「リズム」の文化と言えるのではないでしょうか。
音楽やダンスなどはもちろんのこと、ボクシングやフェンシングなどの格闘技も、
いわばリズム表現です。

 そのことは、日本の勝負法が一本勝負または三本勝負で決める事が多いのに対して、
ボクシングなどは3分間などのラウンド制・KO制で勝敗を決するところにも
表れています。

 日本式の勝負法で有利な戦い方は、無駄な動きを省き、相手の一瞬の隙を
狙って攻めるいわば省エネタイプの戦い方です。その点ボクシングなどでは、
リズムと共に手数を多く出して打ち合い、その攻防の中で相手を倒す戦い方になります。
ボクシングでは練習でも、3つ打たれたら1つ打ち返すリズムで行ったりします。

 もちろん、日本拳法においてもリズムは大事な要素ですし、ボクシングにおいても
無駄な力を入れず相手の隙を突くことが大事ですが、文化の違いによって、
主な趣が違うのです。
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by dohi-column | 2006-12-31 00:00
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